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障害者差別解消法について

ユニバーサルデザインやアクセシビリティに関する書籍を読んだり、セミナーに参加すると目にしたり耳にする「障害者差別解消法」について調べてみました。

正式な名称は「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」となっており、制定は平成25年(2013年)6月、施行は平成28年(2016年)4月です。

法律制定、施行の目的は、以下のとおりです。

国連の「障害者の権利に関する条約」の締結に向けた国内法制度の整備の一環として、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に向け、障害を理由とする差別の解消を推進すること

そして、第一章 総則 第一条には以下の記載があります。

この法律は、障害者基本法(昭和四十五年法律第八十四号)の基本的な理念にのっとり、全ての障害者が、障害者でない者と等しく、基本的人権を享有する個人としてその尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有することを踏まえ、障害を理由とする差別の解消の推進に関する基本的な事項、行政機関等及び事業者における障害を理由とする差別を解消するための措置等を定めることにより、障害を理由とする差別の解消を推進し、もって全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資することを目的とする。

基本理念となっている「障害者基本法」は昭和45年(1970年)と約50年前の法律です。「障害者差別解消法」は差別を解消する法律として新たに追加されたました。
全体で、第六章 第二十六条までありますが、法律の記載内容は難しいので、ここからは概要やポイントをまとめているリーフレットの内容を用いてご紹介します。

ズバリ、この法律で求めれられているのは2点あります。

1つめは「不当な差別的取り扱い」の禁止です。
この法律では、国・都道府県・市町村などの役所や、会社やお店などの事業者が、障害のある人に対して、正当な理由なく、障害を理由として差別することを禁止しています。

具体例は、
・受付の対応を拒否する
・本人を無視して介助者や支援者、付き添いの人だけに話しかける
・学校の受験や、入学を拒否する
・障害者向け物件はないと言って対応しない
・保護者や介助者が一緒にいないとお店に入れない
など

2つめは「合理的配慮」の提供です。
障害のある人は、社会の中にあるバリアによって生活しづらい場合があります。この法律では、役所や事業者に対して、障害のある人から、社会の中にあるバリアを取り除くために何らかの対応を必要としているとの意思が伝えられたときに、負担が重すぎない範囲で対応すること(事業者においては、対応に努めること)を求めています。
ここで言われている意思の伝達は、言語(手話を含む)、点字、拡大文字、筆談、実物を示すことや身振りなどのサインによる合図、触覚など様々な手段により意思が伝えられることをいいます。通訳や障害のある人の家族、支援者、介助者、法定代理人など、障害のある人のコミュニケーションを支援する人のサポートにより本人の意思が伝えられることも含まれます。

具体例は、
・障害のある人の障害特性に応じて、座席を決める
・障害のある人から、代筆を依頼されたとき、代わりに書くことに問題がない書類の場合は、その人の意思を十分に確認しながら代わりに書く
・意思を伝えあるために絵や写真のカードやタブレット端末などを使う
・段差がある場合に、スロープなどを使って補助する
など

対象となる障害者とは?
この法律に書いてある「障害者」とは、障害者手帳をもっている人のことだけではありません。身体障害のある人、知的障害のある人、精神障害のある人(発達障害や高次脳機能障害のある人も含まれます)、その他の心や体のはたらきに障害(難病に起因する障害も含まれます)がある人で、障害や社会の中にあるバリアによって、日常生活や社会生活に相当な制限を受けている人すべてが対象です(障害児も含まれます)。
対象となる事業者とは?
この法律に書いてある「事業者」とは、会社やお店はもちろんのこと、同じサービスなどをくりかえし継続する意思をもって行う人たちをいい、ボランティア活動をするグループなども「事業者」に入ります。

最後に、
法律施行から約3年経過してデザインに関わる人たちの間では認知されてきていると感じますが、周りを見渡すとまだまだ低いのが現状です。
法律があるから対応するというのでは少し寂しいですが、対応されないよりは良いと思いますので、認知度が上がり対応が増えていくと良いなと思います。
ただ、一昔前に比べると身の回りでは、合理的配慮がなされていることや、ものが増えてきていることを日々実感できているので、ユニバーサルデザイン、アクセシビリティといった考え方自体は間違いなく浸透してきていると考えられます。
例えば、
・歩道の幅が広がりベビーカー、車椅子、通学する小学生などが、より安全に通れるようになりました
・駅にはエレベーター、エスカレーター、スロープが増えました
・色々な施設で段差が減りました
・カメラ付きのインターフォンが増えました
・病院などの受付での呼び出しが、掲示板、音声、メール通知などになりました
・駅のプラットフォームでは落下防止策が色々ととられるようになりました
・多目的トイレが増えました
・手すりが増えました
・つり革の高さの種類が増えました
・バスや車の乗降にも配慮が増えました
聴覚や視覚に障害があっても映画を楽しめるようになりました
学校で使用されるチョークの色が変わりました
・ウェブでの読み上げへの対応が増えました
・料理の注文時に材料の記載があったり、アレルギーや子供が苦手なものを確認してくれることが増えました
・様々な場所で外国語での表示が増えました
などなど

より生活しやすい世の中になってきています。それでもまだまだ改善すべきものはありますが。
2020東京オリンピック/パラリンピックなど国際的にも注目度の高いイベントは国内の気運を一気に引き上げる絶好の機会であると考えます。
法律の中では、国及び地方公共団体の活動として、「差別の解消の推進」、「啓蒙活動」などに言及されているので期待もしたいです!

(ちなみに合理的配慮という観点でnoteは画像を入れると暗号みたいな画像名が読み上げられてしまうので、せめて空のaltを入れるなどしてもらえると良いと思います)

参考URLも載せておきます。

障害を理由とする差別の解消の推進
https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/sabekai.html#law

心のバリアフリー
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tokyo2020_suishin_honbu/udsuisin/program.html

ユニバーサルデザイン
https://www8.cao.go.jp/souki/barrier-free/bf-index.html

ウェブアクセシビリティ
https://www.cao.go.jp/notice/webaccessibility.html

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nagahor / Fenrir Inc.

fenrir で主にHCD関連の調査業務をしております。ヒトにすごく興味があります。HCD-net認定 人間中心設計専門家。

Fenrir Designers

フェンリルでデザインに携わるスタッフが運営するブログです。
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