フェンリルで、デザイナーズnoteを8ヶ月ほど運用してみて。
昨年、Fenrir Designersアカウントを開設と同時に、このエントリーを公開して以来8ヶ月ほど経ちました。
Fenrir Designersアカウントでnoteも書いていますが、多くはフェンリルのスタッフが、自分のnoteにエントリーを書き、それをこのアカウントで、Fenrir Designersマガジンに追加するというスタイルを取っています。
メンバーのアカウント一覧
今の所、運営側で把握しているフェンリルメンバーのアカウントは以下の通りです。(このFenrir Designersアカウントでも、私、高取、松下、梅田の4人が更新しています)
基本的に、個々のメンバーは、プロフィールでフェンリル社員ということを明らかにしているだけで、プライベートなエントリーをあげることも問題なし(もちろん、不適切な投稿は認めていません)としています。もし、Fenrir Desingersマガジンでピックしてほしいものが書けたらピックするから言ってね、というスタイルです。
その中で、いくつか注目を集めたエントリーを紹介します。
デザイナーのセルフ・ブランディングのために
冒頭のエントリーでも書きましたが、こういった個々のメンバーが個別にアップするスタイルを取っている大きな理由の一つが、個々のデザイナーの「セルフ・ブランディング」を応援したいから、というところにあります。
ブランディングという意味では、企業として一人称でブレのないデザイン論を語ることも必要かもしれません。
ただ、もはや個々の発言力が企業のそれを上回ることもしばしばあり、容易に自己発信可能な状況においては、その活動を抑制するより、フェンリルという名前を利用して自由に発言してもらった方がメリットは多いんじゃないかと思っています。
一言で、デザイナーと言っても、フェンリルには様々なタイプのデザイナーがいますので、彼らがそれぞれの視点で、デザインについて語ることは、フェンリルにそれだけの知見があるという証左にもなります。
もちろん、それらは個人のスキルであって、企業のサービスやソリューションとして対応できないものもあるかもしれませんが、少なくとも、すべての視点を、同じレベルで語り尽くすことは、一企業のアカウントでは難しいのではないでしょうか。
また、何も後ろ盾がない状態で、個人でブログやSNSを始めたことがある方はお分かりだと思いますが、ある程度のアクセスやフォロワーを獲得するまでにものすごい労力が必要です。このやり方の場合、最初は企業の広報力を利用できるので、立ち上がりも早く、モチベーションも継続しやすいのではないかと思います。上記で紹介したメンバーがフェンリルを辞めた場合、そのアカウントは個人で継続して運用し続けてもらえますので、多忙な業務の合間でも、エントリーを更新し続けるメリットは十分にあるかと思います。
note執筆者向けの表彰制度
今回このnoteを運用するにあたって、より積極的な参加を募るために、表彰制度を取り入れました。概要はこんな感じ。
対象:年間のFenrir Designersマガジン全投稿者、全エントリーから選出。
最優秀執筆者賞1名
期間内のnote執筆者で、フェンリルのブランディングへの貢献および個人のプレゼンスの向上が著しかった者1名を選出
賞金10万円
優秀エントリー賞5名
期間内に投稿されたエントリーで、PV、スキ、コメントなど好意的な評価が多数あった5エントリーを選出
賞金3万円
ちなみに、1人で総取りもあり得ます。
手応え的なこと
最初の数エントリーで、30-40くらいのスキが集まり、それなりのスタートが切れました。そして、前述の高取が書いた「プログラミングに挫折したことがあるデザイナー向け プログラミング学習法」に深津さんからコメントをいただきました。
ちょうど、新しい取り組みとして「#デザイン 記事まとめ(公式デザインマガジン)」の編集権を外部の人にも展開している時だったらしく、タイミングが良かったみたいです。これにより、いいエントリーが書けた時などは、自薦できるようになったのですが、他の人に見つけていただいてピックしていただいた方が嬉しいということもあって、なかなか自薦はできていません・・。他薦はちょこちょこやっています。
ちなみに、現時点(2019/02/18)で、Fenrir Designers マガジンには52のnoteが追加されています。メンバーのフォロワーも入れると、584フォロワーでした(多分、重複多数だと思いますが・・)。
これらが、多いか少ないかは置いておいて、今までフェンリルのデザイナーが、デザイナーとしてほとんど外部発信できていなかったことを考えると、大きな前進ではないかと思っています。
これからは、「フェンリルの中の人」ではなく、「デザイナーの〇〇さん」、と界隈で呼ばれるデザイナーが増えていって欲しいです。クライアントワークだと自分の名前が世にでることが殆どないですし、ポートフォリオを公開することも出来なかったりするので。
課題に思っていること
とはいえ、やはり課題もあります。
一応、週1回以上、更新できるように主に企画チームのコンサルタントやプランナーが執筆を回しています。デザイナーやディレクターは、書きたいときに書くことで、月に10件程度はマガジンに追加されていく想定でした。
しかし、現状では月4-5件程度で推移しています(12月はアドベントカレンダーを実施したので少し多かったですが)。
普段、我々のようなクライアントワークをメインとしているデザイナーは、広報的なところに携わることも少なく、こういった対外的な長文を書く機会はそれほど多くありません。なので、個人として定期的にnoteを更新していくことは、非常にハードルは高く、そのために、最初のエントリーをアップすることを躊躇する人も多かったです。書くことを考える、というのもそれなりに時間がかかるわけで、どうしても多忙な業務の合間を縫って、文章を書くというモチベーションが湧かないのも頷けます。デザイン界隈でnoteをやっている人たちのレベルが総じて高めだというのも躊躇の要因になっているかもしれません。
書くというのは想像以上にクリエイティブで奥の深い作業です。
UIデザインと比べて、直感的ではない分、どういう言葉で、どういう言い回しで、どういう語調で書けば正しく伝わるのか、どういう構成であれば読み手をゴールに導けるのかなど、ものすごく思考しなければなりません。そもそも日本語で書くなら日本語を知らなければいい文章は書けませんし、いい文章を書くには、いい文章が何かを知らなければなりません。つまり、書くためには、読むことが必要なのです。
まさに、普段デザイナーがアウトプットの質を高めるためにやっているプロセスと同じことです。論理的な思考を身につけるためにも、是非ライティングにはどんどんチャレンジしていってもらいたいなと思います。
今後も、メンバー共々、定期的に更新していきますので、引き続きよろしくお願いいたします。
書き手:デザイン部 坪内